ほくろ、イボ
ほくろの種類
ほくろには大きく分けて「単純黒子」と「色素性母斑」の2種類ありますが、一般的なホクロは色素性母斑のことを指します。これは母斑細胞の増殖で、生まれつき皮膚に存在し、何らかのきっかけでメラニン色素を産生すると、小さな褐色や茶色の色素斑(しみ)として、目で見えるようになります。母斑細胞の数が増加すると、皮膚から盛り上がったほくろになってきます。
色素性母斑(しきそせいぼはん)
母斑細胞がいくつもの層になって重なり、やがて盛り上がってくるホクロです。でき始めは小さなホクロなのですが、徐々に大きくなったり、盛り上がってきます。色も着色していないものから茶色いものまで様々です。また、皮膚の表面近辺にできるものから、奥に向かって増えていくものまであります。レーザーもしくは切除手術で取り除くことができます。
単純黒子
メラニンを作り出すメラノサイトが皮膚のごく浅い部分にあり、メラニンを生成したのが単純黒子です。薄茶色から黒いものまで色も様々で、大きさも1~2mmと小さいものが多く、レーザーで一度に治療することも可能です。
イボの種類
イボや盛り上がり(ブツブツ)などの良性の腫瘍は大きさや症状は様々で、原因もウィルスによるもの、体質や加齢によるものなど様々です。ウィルス性のイボは周辺皮膚にうつったり増えることがあります。また加齢に伴うものも、年を重ねるごとに大きくなったり増えたりすることがあります。いずれの場合も早めの治療をお勧めします。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
もっともよく見かけるウィルス性のイボです。パピローマウイルスの2型(HPV-2)が主な原因と言われており、手足、四肢、顔面によく現れます。表面がガサガサしており見た目はウオノメに似ていますが。イボの中には血管が通っているので黒い点々が見えることがあります。強い感染力はないので、すぐ他人にうつることはありませんが、自分で潰すなど自己処理をしたときにウィルスが拡がり、周囲に新しくイボができてしまうことがあります。必ず医療機関で除去してください。
老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)
1mm以下のホクロのような赤い斑点が特徴です。隆起して盛り上がっているものもあり、皮膚の中の毛細血管が広がって異常に増殖することで生じます。老人性と付いていますが、思春期頃の若年層から発症することもあります。
老人性角化腫(ろうじんせいかっかしゅ)
加齢によって生じるイボで、老人性イボともいいます。表面がガサガサしており、平らなものから厚みのあるものまで形状は様々で、色も黒色から素肌色まで様々です。黒いことが多いためホクロのように見えますが、脂漏性角化症の場合は指で削るとポロポロとカサブタのようにとれる場合がほとんどです。かゆみを伴うこともあり、放置しておくと少しずつ大きくなって数も増えるため、気になる方は小さいうちに除去することをお勧めします。
脾粒腫(ひりゅうしゅ)
特に目の周りに発生する小さな良性の皮膚腫瘍です。毛穴の奥にある毛包(もうほう)という袋状の組織の中や未発達な汗腺の中に角質がたまって生じます。白色の小さな粒のように見えるため白ニキビと混同されがちですが、毛穴の無い部分に発生するので指などで押しても中身を出すことはできません。中高年の女性によく見られます。痛みや痒みはなく触れると芯があるような硬くとがったような感触があります。
汗管腫(かんかんしゅ)
汗を発生させるエクリン腺が、真皮内で増加してしまったために生じる良性の皮膚腫瘍です。1~5ミリ程度の白色~肌色の盛り上がりで、主に目の下に現れます。稗粒腫と似た症状ですが、汗管腫の場合は、直径1~5ミリくらいと少し大きく、やや平らで軟らかさがあります。
炭酸ガスレーザーでほくろ、イボを
手早く効果的に除去
炭酸ガスレーザーエスプリの特徴
炭酸ガス(CO2)レーザーは波長10,600nmの赤外線領域のレーザーで、現在最もポピュラーな医療用レーザーです。
この波長域のレーザーは水分に吸収されやすいという特徴があります。生体は水分を多く含んでいるため(人体の約60~70%は水分)、この性質を利用して医療分野では、組織の切除、蒸散の目的で使用されています。
色素などに反応するのではなく組織を蒸散させるタイプのレーザーですので、ほくろ、ウイルスが原因とされる尋常性疣贅(イボ)、脂漏性角化症(厚みのあるシミ)、アクロコルドン(首などにできる有茎性の小腫瘤)、その他の隆起状病変の治療に適しています。
メスを用いた外科的切除に比べ、出血がほとんどなく、傷跡が目立たないのが特徴です。局所麻酔の注射を行ってから施術を行いますので、治療中の痛みはほぼありません。